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「作ったことないんですよ、レストランに勤めてから。」
「え、?」
「家では練習してたんですけどね。」
「それだけ厳しい世界にいらっしゃったんですね…。」
私は愛想笑いでその場を取り繕った。
厳しい世界。
たしかにそれは間違いない。
だけど、それが理由だったらレストランは辞めていなかった。
「っ、」
「…!大丈夫ですか!?」
一瞬立ちくらみがしてその場にしゃがみこむ。
彼が慌ててカウンターの中に入ってきた。
「ちょっと…失礼しますね。」
近くにあった椅子を持ってきてくれて、軽々と私を抱きかかえるとそこに座らせた。
そして背中を擦ってくれた。
「体調悪いんじゃないですか?顔色がよくない。」
「…。いやなことを、思い出してしまって。」
頭の中を一気に駆け巡る出来事はさらに私を苦しめた。
浅い呼吸を繰り返す私を彼は優しく抱きしめた。
「みやだてさん、」
「大丈夫ですよ。なにも気にしなくていいですから。深呼吸してください。過呼吸起こしてます。」
肩口に私の鼻と口を優しく押し付けて、ゆっくりと穏やかなリズムで背中を叩いてくれる。
心が落ち着くアロマのような匂いがする。
私は目を閉じて深い呼吸を繰り返した。
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涼-suzu-(プロフ) - 蓮和さん» ありがとうございます。みやだてくんはやっぱりバブめですよね。笑 共感していただける方がいて嬉しいです。次回もよろしくお願い致します(՞ ܸ. .ܸ՞)" (4月2日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
蓮和(プロフ) - 完結おめでとうございます!垢は違いますが毎度コメントさせていただいてますバケモノです。素敵な作品をありがとうございました!!宮舘さんとの恋ってやっぱりいいですよね(?)私も宮舘さんは結構バブい域にいると思ってますw 第8弾も楽しみです! (4月1日 21時) (レス) @page45 id: 69e5d6eaed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2024年3月25日 17時